映画「リトルフォレスト 夏・秋」の感想と気づいてしまったことを中心に

映画

TAKAHIROです、 今回は僕の好きな映画のレビューをつらつらと書きたいと思います。観た映画は「リトルフォレスト 夏・秋」です。

映画・リトルフォレストを観た感想中心

この映画ですが、実はストーリー自体はそんなに大きな動き、展開があるワケではないので、あらすじも織り交ぜつつ感想を書いていきたいと思います。

まず一番最初に感じた事は、橋下愛さん演じる「いち子」がなぜこんな山奥の家に一人で暮らしているのか、ということ。これ最初の段階では分からないのです。自然の恵みを少し頂き、パンやジャム、米サワーや ウスターソースなどなど、ストーリーの中でいち子はせっせと食べ物を作っていきます。そして、その作る過程で、少しずつ過去を振り返るシーンが盛り込まれてきます。なぜいち子がひとりでこの山深い家に住んでいるのか、この疑問が少しずつ解消されていくのですね。

あ、余談ですが、この作品中の橋本愛さん、メチャかわいいですね(汗) 劇中、彼女の醸し出す雰囲気に思わずゴクリ。

リトルフォレスト・夏編 いち子の秘密が少しずつ明らかに

さておき、

当初、僕は「いち子」は都会の生活に疲れ、傷つき、この「小森」という山深い家に移り住んで来たと 思っておりました。が、実はそうではなく「小森」はいち子の生まれ育った家だったのです。劇中で高校を卒業した後かな?一度、街に出て男性と同棲をしたというくだりがあります。それが ダメになり小森に戻ってきたと振り返るシーンが織り込まれていました。

印象的だったのは、「夏編」において、三浦貴大さん演じる「ユウ太」が登場してきます。そのユウ太も一度は都会に出て戻ってきた男。その彼の小森に戻ってきた理由は「自分の人生と向き合うため」でありました。

それに比べていち子は「逃げてきた」という表現で戻ってきたのです。ここでも数々の料理を作るシーンがあるのですが、まだどこかに今の暮らしに対するちょっとした迷いがいち子いはある、感じてしまったのは僕だけでしょうか?

「夏編」のラストシーンにて、トマトの温室栽培をしないワケをいち子はこう語ります。「もし露地栽培をやめて温室栽培にしてしまうことで、この小森に居ついてしまうのではないか?と考えてしまうからだ」と。そのシーンで「夏編」が終了していくので、まだこの時点ではまだ「逃げてきた自分」に対する迷いや葛藤などがいち子の中に存在していたのかなぁと感じたのです。

リトルフォレスト・秋編 たくましさをいち子に感じる

そして、「秋編」で、僕はいち子が夏に比べ、小森の生活においてどっしりと根が生えたのでは?と感じました。夏と同様にいち子は自分の体と知恵を駆使して、自然の中で暮らしていくのですが、その都度いち子の中にたくましさを感じたのです。

料理では「合鴨」を絞めたり、秋から冬に入る前に動物たちと競争(えっ?競争って?)で山の恵を取り合ったりと。生活面では冬に向けてマキを確保するためにチェーンソーをガンガン使用したりもしてました。使い終わったチェーンソーを手入れする姿もとってもサマになっており^^

キーパーソンの母・福子の過去からいち子が気づいたこと

あと欠かせないのがいち子の母・福子の存在です。劇中でしばしば回想シーンで登場する桐島かれんさん演じる母の福子。

まず、いち子はこの家にひとり暮らしなので、なぜ今は母がここにいないのか?これがとても疑問ですが、なかなかその真相までたどり着きません。ストーリーが進むに連れて5年前に突然姿を消したということが分かります(汗)ただ、その理由については不明のまま。

ただラストシーンでいち子の元に福子から一通の手紙が届くのです。ということは「冬・春」篇にて色々と分かってくるのかな?

さておき、いち子がこの小森で作る料理は母から教えてもらったものなんですね。母と暮らしていた時は 母のことを「ずぼら」と思っていたいち子。しかし、実際に自分が今同じものを作っても母の味に近づくことがなかなか出来ない。

で、実は母はずぼらではなく、料理に「ひと手間を加えていた」ことを身を持って知ることになったいち子。そして、実は「自分がずぼらだった」という事に気づくのです。このシーンがとても印象的だったTAKAHIROであります。

ということで、この「リトル・フォレスト 夏・秋」ではともかく自然の恵みを少し頂いて、主人公のいち子が 「生きるため」に料理を作り「食べていきます」。何かのレビューにて「生きるために食べる」「食べるために生きる」と書かれている人がいましたが、まさに そんな感じですね^^

それも極力自分の体を最大限まで使い、昔から伝わる知恵を利用して、自分が生きていくために必要な食料や生活の品を使い蓄えていきます。その過程において、都会で傷ついたいち子の心や体がどんどんと充電されていく様子、これがこの映画の面白い ところだというのがワタシなりの感想でありました。

ちなみにオマケのエピソードを3つ

・ふたつ下のユウ太と米サワーをふたりで飲むシーンがあります。下世話なTAKAHIROは「これでふたりがそういう関係になるのでは?」なんて考えて観ていたのですが、そんな展開にはなりません(恥)そもそも ユウ太という男はそんなヤツではなかったし、そんな展開はこの映画には必要がないなぁとも感じて猛省。

・秋編にて合鴨農法が登場します。その時の合鴨を後に絞めるのですが、そのシーンに何とも言えない切ないものを感じた私。ただ、それにより自然の中で生きることの大変さ、厳しさがかえって重みとして一層感じてしまうことになるのです。

・いち子が使っている電気やガス、水道などの料金をどうやって払っているのかが気になったりもする(笑) 一応、キャンプ場でのイワナ養魚所の日雇いアルバイトはあるけれど…基本、田んぼや畑もあるので自給自足のいち子。ただ、公共料金などのように現金が必要な場合もある。あ、貯金もあるのかな、となぜかこんなところも気になってしまったまだまだ下世話な私。

どんな時にこの「リトル・フォレスト」を観るのが良いか

ここのところ、TAKAHIROは精神的にとても疲れていました。そんな時にこんな出来事がありました。それは免許の更新のために「免許センター」に行った時のこと。少し後ろの方でかなり年配の男女がもめていたのです。

まずは年配の男性が「お前!割り込むなや!」とそれはもうかなりの剣幕でキレていました。そう言われた、これまた 年配の女性が「割り込んでへんわ!」とこれに応酬。

年配の女性いわく、前から並んでいたけれどトイレに行きたくなったので場所を離れたと。そう言っている。で、男性は「それやったらはよ元のところに行けや!」とさらにキレている。

で、そのやりとりの後、女性は私の後ろに入ってきたのです。あれ、僕もだいぶ前からいるけれど、後ろに確か最初からこんな人はいなかったけど…まぁ当然こんなやりとりは不快以外のナニモノでもない。でも、ここからが僕のイケナイところだったんです。

それは、もしあと少しでもこのいざこざが続いたら、僕一度キレてやろうと思ってしまってたんです。かなり攻撃的な自分に意外さを感じながらも。。。僕自身も色々とあって精神的に少々疲れておりイライラしてたんですね。あとで冷静に考えるとすごく恥ずかしくなりました。

という状況だったその夜。この「リトル・フォレスト 夏・秋」を観たんですね。何か殺伐としていた 自分の中の感情がこの映画を観てどんどん癒されていくようなそんな感じだったのです。

もし、あたなが僕と近いような状況にいたとするならば、一度この映画「リトルフォレスト 夏・秋」を観てみてはいかがでしょうか?

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